今般、健康保険の被扶養者条件の一つである収入基準につきまして、「年収の壁」への対応として特例措置(時限措置とし令和7年に見直し予定)が設けられました。制度の対象となる場合には、「被扶養者の認定申請」及び、毎年行っている「被扶養者資格確認調査(令和6年度以降の調査が対象)」にて、通常提出する書類と併せて、人手不足による労働時間延長等に伴う「一時的な収入変動である旨の事業主の証明」を提出することで、被扶養者として認定されます。
尚、「一時的な収入変動」が認められるには、一定の要件があります。また、被扶養者の条件には5つ(注1)あり、今回は条件2の収入条件に特例が設けられたものであり、扶養者として認定されるには、従来通り全ての条件を満たす必要があります。
<注意>
本案内は、令和5年10月31日時点で発表されている通達、及び厚生労働省からの情報を基に作成しております。今後、厚生労働省より詳細な解釈や具体的な手続きについて追加発表された場合には、詳細の運用が変更になる可能性がありますので、ご承知置きください。
制度概要 | 対象となる方 | 対象とならない方
対象となる収入、及び「一時的な収入変動である旨の事業主の証明」の提出時期
対象となる一時的な収入変動の主なケース
対象とならない一時的な収入変動の主なケース | その他
雇用契約等に基づく本来の向こう1年間(注2)の収入見込額が扶養認定基準以内の収入(注3)であることが明らかである方が、人手不足で労働時間を延ばすなどにより、収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することによって、引き続き扶養に入り続けることが可能となる仕組みです。
「一時的な事情」として認定行うものであり、同一の方について原則として連続2回までを上限とします。
以下@〜Cの全てを満たしている方
- 事業主に雇用されている方で、雇用契約等に基づく本来の向こう1年間(注2)の収入見込額が扶養認定基準(注3)以内であることが明らかである方
- 人手不足による労働時間延長等に伴う「一時的な収入変動」があり、その旨の事業主証明がある方
- 「一時的な収入変動」の事情が本制度の人手不足によるケース(対象となるケース参照)に該当する方
- 「一時的な収入変動である旨の事業主の証明」による認定が連続2回以内である方
- フリーランスや自営業者など特定の事業主と雇用関係にない方
- 雇用契約等に基づく本来の向こう1年間(※2)の収入見込額が扶養認定基準(※3)以上であることが明らかである方
- オリンパス健康保険組合が行う収入確認において、「一時的な収入変動である旨の事業主の証明」の提出が連続3回以上となる方
対象となる収入 |
●新たに扶養申請を行う場合の収入確認で確認の対象となる収入
⇒新たな扶養申請を行う際に、通常必要となる書類(参照:扶養にしたいとき>申請方法)と併せて事業主の証明書を提出してください。 |
●令和6年度以降の「被扶養者資格確認調査」を行う場合の収入確認で確認の対象となる収入
⇒「被扶養者資格確認調査」実施の際に、他の必要となる書類(「被扶養者資格確認調査」実施時にご案内)と併せて事業主の証明書を提出してください。
※令和5年度の「被扶養者資格確認調査」は本制度の適用対象外です。 |
追加書類 |
@「一時的な収入変動」に係る事業主の証明書
A本来想定される年間収入が確認できる「雇用契約書」等
B「一時的な収入変動が起きる前」、かつ「扶養申請に必要な収入証明対象期間の直近」の給与明細書コピー(一時的な変動が起きている期間の月数分)
(例)
収入証明が必要な期間が1月〜6月分、「一時的な収入変動が起きている期間」が3〜4月の場合、
⇒1月より前2ヶ月間(11月〜12月)の給与明細書コピーを追加で提出
<注意>
認定等に必要となる他の必要書類と併せて提出してください。
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- 勤務先事業所の他の従業員が退職したことにより、被扶養者の業務量が増加した。
- 勤務先事業所の他の従業員が休職したことにより、被扶養者の業務量が増加した。
- 勤務先事業所の業務の受注が好調だったことにより、勤務先事業所で全体の業務量が増加した。
- 突発的な大口案件により、勤務先事業所全体の業務量が増加した。
- 基本給が上がった場合や、恒常的な手当が新設された場合など、今後も引き続き収入が増えることが確実な場合
- 本制度は、令和5年10月23日以降で新たに扶養申請を行う場合、令和6年度以降の「被扶養者資格確認調査」を行う場合に適用されます。
【注1】被扶養者の認定条件
条件1 対象者が3親等内の親族である
条件2 対象者の収入が基準内の金額である
条件3 被保険者が対象者の主たる生計維持者である
条件4 日本国内に住所(住民票)がある人
条件5 被保険者が扶養することが妥当である
【注2】向こう1年間
常に、いつを起点とした場合でも、その時点からの「向こう1年間」です。
【注3】扶養認定基準以内の収入※1
被扶養者の年齢など |
月額(給与・年金など) |
= |
年間収入※3 |
60歳未満の場合 |
108,334円未満 |
130万円未満 |
60歳以上の場合 |
150,000円未満 |
180万円未満 |
一定の障がいを持つ方の場合※2 |
150,000円未満 |
180万円未満 |
※1 給与収入・事業収入・各種年金・利子・配当・不動産収入・雇用保険給付金などすべてを含みます。また、年間収入および月額ともに条件を満たす必要があります。
※2 障害年金を受給できる程度の障がいを持つ方
※3 「年間収入」とは常に向こう1年間の収入であり、直近の収入水準を年間収入に換算した額です。
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